

興奮性アミノ酸と低血糖
自閉症、双極性障害、パーキンソン病、偏頭痛、パニック障害・・・など、興奮系の神経障害を抱えている疾患の方々は、グルタミン酸/GABAのバランス異常が生じています。そして、必ずといっていいほど低血糖症を合併している事が多いです。 今回は、低血糖症と興奮性アミノ酸の関連についてお話しいたします。 いきなり結論からお話しすると・・・ 興奮系神経伝達物質であるグルタミン酸と抑制系神経伝達物質であるGABAのバランスが崩れ、過剰なグルタミン酸塩が放出されるとインスリンの放出を促進し、グルコース量が減少します。 脳内のグルコースは、過剰なグルタミン酸塩の、シナプスからの除去を調節しています。 低血糖状態・低カロリー状態・飢餓状態は、脳内の過剰なグルタミン酸塩を除去する能力を低下させてしまい、グルタミン酸塩の蓄積を招いてしまいます。 つまり、低血糖を起こせば起こすほど、過剰なグルタミン酸を蓄積しやすくなってしまいます!!! グルタミン酸塩の過剰は神経細胞内へのカルシウムの流入を促進し、細胞内カルシウム濃度の上昇に繋がります。この作用で、神経を興奮させるのです。


アンモニア過剰と自閉症
自閉症スペクトラムのお子さんや精神症状を抱えている方(うつ病や統合失調症)の、多くがCBS遺伝子にSNP(一塩基変異多型)を持っています。 CBS(シスタチオニンβ合成酵素)はホモシステインを硫黄転移経路へ誘導する酵素で、ビタミンB6で活性を起こします。 CBS遺伝子にSNPが存在する場合、硫黄転移経路へ誘導する活動が亢進します。 本来、メチオニン(多くのタンパク質の開始アミノ酸で、メチル供与体)の合成に利用されるべきホモシステインが、硫黄転移経路へ過剰に流れてしまいます。 このことは、メチオニン回路におけるDNA,RNAメチル化の機能低下のみならず、硫黄転移経路で産生される副産物であるアンモニアや亜硫酸塩、硫化水素の過剰の原因になります。そして、システインの上昇を招きグルタチオンの低下を起こします。グルタチオンは肝臓で毒物を解毒しているトリペプチドです。 自閉症スペクトラムのお子さんが、水銀や鉛やアルミニウムなどの有害重金属の影響を受けてしまうことも、グルタチオンの欠乏と関連するかもしれません。 CBS遺伝子の変異へのサポートは、もっとも最初に