アンモニア過剰と自閉症

自閉症スペクトラムのお子さんや精神症状を抱えている方(うつ病や統合失調症)の、多くがCBS遺伝子にSNP(一塩基変異多型)を持っています。

CBS(シスタチオニンβ合成酵素)はホモシステインを硫黄転移経路へ誘導する酵素で、ビタミンB6で活性を起こします。

CBS遺伝子にSNPが存在する場合、硫黄転移経路へ誘導する活動が亢進します。

本来、メチオニン(多くのタンパク質の開始アミノ酸で、メチル供与体)の合成に利用されるべきホモシステインが、硫黄転移経路へ過剰に流れてしまいます。

このことは、メチオニン回路におけるDNA,RNAメチル化の機能低下のみならず、硫黄転移経路で産生される副産物であるアンモニア亜硫酸塩硫化水素の過剰の原因になります。そして、システインの上昇を招きグルタチオンの低下を起こします。グルタチオンは肝臓で毒物を解毒しているトリペプチドです。

自閉症スペクトラムのお子さんが、水銀や鉛やアルミニウムなどの有害重金属の影響を受けてしまうことも、グルタチオンの欠乏と関連するかもしれません。

CBS遺伝子の変異へのサポートは、もっとも最初に行わなくてはいけません。

アンモニアの毒性を以下に示します。

・見当識障害、「もやもや感」、精神混乱

・上肢拳上時の羽ばたき振戦

・機能亢進性反射

・グルタミン酸興奮毒性を引き起こすN-メチル-D-アスパラギン酸受容体の活性化

・手の振戦

・パラノイア、パニック発作

・記憶喪失

・過呼吸(呼吸中枢を刺激するアンモニア濃度の上昇による呼吸性アルカローシスが原因である。呼吸性アルカローシスはしばしばCO2減少と関連している)

・中枢神経毒性によって、膠質細胞と神経細胞が影響を受け、中枢神経系の代謝と機能の変性が起きる。

アンモニアや硫化水素過剰の症状としてよく聞かれるのは「脳に霧がかかったようである」「半冬眠のような状態」という症状です。上記のようにアンモニアによる神経毒性の結果が「脳に霧がかかったようである」という症状の原因のひとつでしょう。

また自閉症スペクトラムのお子さんは、グルタミン酸/GABAバランスが非常に乱れている子が多く、興奮毒素として作用しかつ、脳神経細胞死を招きかねません。その原因の一つも、アンモニア過剰による、N-メチル-D-アスパラギン酸受容体の活性亢進による影響です。また、自閉症お子さんは、先天的なミトコンドリア機能障害を持っている場合が多いです。このことが原因でATP(アデノシン3リン酸)産生が低下すると、アンモニアから発生したグルタミン酸がグルタミンへ変換されにくくなってしまい、グルタミン酸の興奮毒素としての作用を受けてしまいます。

1分子のアンモニアの分解には、2分子のBH4(テトラハイドロビオプテリン)が必要になります。BH4はセロトニンやドーパミンの合成に必須の共同因子ですので、アンモニア解毒に過剰なBH4が利用されれば、BH4は欠乏します。BH4の欠乏は、精神症状の原因になってしまいます。

Dr.エイミー・ヤスコ プロトコールでは、BH4をサプリメンテーションします。

CBS遺伝子に変異がある自閉症スペクトラムのお子さんや精神疾患の方へのサプリメンテーションに対して、注意が必要な分子は・・・

  • ビタミンB6、P5P(活性型ビタミンB6)

ビタミンB6はCBS酵素の活性を起こします。CBSの活性亢進に繋がってしまいまいアンモニア過剰の原因になってしまうかもしれません。補給が必要な際は、様子をみながら行いましょう。Dr.エイミー・ヤスコはP5Pの補給は2日に1回50mg以内を推奨しています。

  • 硫黄を含んだ食材やサプリメント

αリポイック酸  グルタチオン

ルッコラ     ブロッコリー

マメ科植物    芽キャベツ

肉        キャベツ

オオアザミエキス(シリマリン)

コンドロイチン硫酸

MSM       ココナッツミルク

からし菜     DMPS、DMSA

からし      NAC

ナッツ類     卵

硫酸マグネシウム 大根

魚        赤唐辛子

ニンニク     クレソン

硫酸グルコサミン SAMe

タウリン     システイン  メチオニン

高タンパク食を推奨する食事療法が多いですが、CBS遺伝子にSNPをもつ個人にとっては、症状の悪化の原因にもなります。

DMSAやDMPSによるキレーション療法もCBS遺伝子の変異をもつ自閉症スペクトラムのお子さんにとっては非常に負担が大きくなってしまいます。自閉症スペクトラムに対して、キレーション療法が有効であると思い、いきなりDMSAやDMPSといったキレート剤を使用したキレーション療法は控えるべきです。

Dr.エイミー・ヤスコ プロトコールではEDTA(経口、経皮:石鹸や入浴剤)によるマイルドな解毒を推奨しています。

もちろんDMSAに耐容できれば実施すべきです。

<アンモニア過剰に対して利用したいサプリメント>

  • チャコール(活性炭)

活性炭は、アンモニアや真菌毒素を吸着し、便中排泄をサポートしてくれます。抗真菌療法バイオフィルムプログラムを実施する際の副反応の防止にも効果があります。摂取後8〜12時間以内を目安に排便したいので、クエン酸マグネシウムでサポートするとよいでしょう。

  • ユッカ

アンモニアを分解してくれるハーブです。高タンパクな食事の後に、補給することでアンモニア分解をサポートしてくれるため、非常に有効的なサポートになります。CBS変異のある場合には常にサポートすると良いかもしれません。

Yasukoプロトコールで用いられるサプリメント

・アンモニアRNA  CBS+RNA

アンモニア・タウリンが高い場合に使用します。かならず尿アミノ酸検査にて確認してから使用してください。

・CBS/NOS Kidney Support

CBS+のサポートとなるハーブやビタミンを含んだサプリメントフォーミュラです。

アンモニアの問題は、尿アミノ酸検査で確認してください。

しかし、検査にあたってはあらかじめメチレーションサポート(MTHFR、MTR、MTRRなどのサポート)として5メチル葉酸やB12をしばらくしっかり補給してから検査してください。アンモニアが低く出てしまう場合があります。

尿アミノ酸検査

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